マテリアル

いわゆる「ヴィンテージ」と呼ばれるアロハシャツとして最も評価が高いのは、1930年代から50年代に作られたレーヨン製のもの。レーヨンは別名「人絹」と呼ばれ、石油などを原料とした合成繊維ではなく、植物を原料とする天然由来の繊維である。吸湿・放湿性に優れ、肌触りがなめらかなうえに放熱性も高い。常夏の地ハワイの気候に適したシャツといえるだろう。 アロハシャツの歴史の中では、他にもシルクや綿、ポリエステルなどの素材も見ることができる。

FILAMENT RAYON(レーヨン羽二重)

レーヨン羽二重(はぶたえ)とは、経糸と緯糸にフィラメントレーヨン(長繊維糸)を使用した平織りの布地。表面にはレーヨン特有の光沢感が表れる。見た目の美しさだけではなく、放熱性が高いため涼しく着心地が良い。

KABE CREPE(レーヨン壁縮緬)

レーヨン壁縮緬(かべちりめん)とは、経糸にレーヨン無撚糸、緯糸にレーヨン壁糸を使用した布地で、 和柄に比較的多く見られる。表面に凹凸がある素材で清涼感がある。もとは和装用の布地として開発されたもの。

RAYON FUJIETTE(レーヨンフジエット)

レーヨンフジエットとは、経糸にフィラメントレーヨン、緯糸にスパンレーヨンを使った平織りの布地。富士絹に似たしなやかさと、レーヨン特有の風合いを併せ持つ。表面の羽毛感もフジエットの特徴。

FUJI SILK(富士絹(シルク))

富士絹とは、絹の平織りの布地で元来は和装用。1930年代に作られた初期のアロハシャツなどに見られ、 プリントはオーバープリントの和柄が中心。ごく一部、抜染の洋柄もある。

HOPSACK(ホップサック)

ホップサックとは、経糸は2本引きそろえ、緯糸は1本の平織りの布地。ホップサック(ホップの実を入れる袋)という名前のとおり丈夫で、ざっくりとした素材感が特徴。 ーヨン以外にコットンや麻混のものもある。