ブランド

SURF RIDERS SPORTSWEAR

1920年代から農園労働者の靴やパラカなど、衣料品の製造販売を手掛けていた。始まりは農園で働く人々が裸足であることに着目し、靴のオーダーを受ける小さな店を興したことである。’30年代に入り、サウスキング・ストリートで、オーナーであるティ・ハウ・ホーの妻ローズ・チャー・ホーがペナントやエンブレム、旗などをオーダーメイドで作る縫製店を立ち上げた。その後、1940年頃に夫のティ・ハウ・ホーはワイキキのカラカウア・アヴェニューにお土産物店サーフライダース・スポーツウェアをオープンさせる。そのお店では既製品だけでなくオーダーメイドのシャツやムームーも扱われた。妻の店は、’48年頃に売却しているが、それまでの間そこでシャツの製造をしたのであろう。一方、サーフライダースのお店は戦後に同じ通りの2126番地に、さらに’52年頃には同2142番地に移転して営業を続けた。新聞記事によると、この頃には月間で500ダースのシャツを生産していたという。また、オーナーのホーはハワイアンテイストの柄をデザインして、日本でプリントした。日本へ出向き生地を購入し、工場とプリントについて交渉することに加え、市場をみてまわるという、現地調査を毎年続けたのである。そして、このブランドはアロハシャツ初期に中心だった仕立屋のように製造直販だけを行い、卸しをしていなかったのが特徴だ。そのためウエストや肩のサイズを変えるといった特別注文にも応じることができた。’50年代以降は最も近いサイズのものを試着するとフィッターが採寸し、店の2階にある工場で1~2時間のうちに直していたのである。また、メールオーダーでかなりの数量を販売しており、’53年からは写真と生地サンプルを付けたカタログを製作していた。