ブランド

MALIHINI

1952年頃にレイモンド・ササキによって設立されたマリヒニ・スポーツウェア社のブランド。日本生まれのササキは両親と共に移住し、幼少時代からハワイで育つ。この島の景色と風土を愛していたササキ、一度は両親に日本へ戻されたもののホームシックになって、再びハワイへ戻ることとなる。その後、自身のデザイナーとしての才能をいかし、起業を決意。戦時中からテーブルクロスのブロックプリントを開始。本格的なスタートは、‘46に10台のミシンを持つメーカーとして法人化し、’47年頃からファブリック・センターという店でドレスやカーテンの生地を売った。また、ハンド・ブロック・ショップという店で生地の卸もしていたのである。そして、テキスタイルデザイナーであり、エッチンググラス・デザイナーのフランク・ヤスタロウ・オダと共にガラス食器の加工と卸しなどもやっていた。現在、オダの作品はハワイアンアンティークの世界で不動の地位を誇る。’49年頃からアロハシャツの製造も開始。地色の濃い、抜染の大柄や、他のメーカーにはないオリジナルな柄が多いのが特徴で、和柄を抜染で表現するというユニークなものもあった。まさに、レイモンド・ササキの才能が活かされた結果であった。また、彼は自らのアイデアをルイス・ラッセルというデザイナーに描かせ、柄にしていったのである。’50年代には従業員は20人を超え、ササキの姉妹も働いていた。’59年にはミシン60台、年間売上は50万ドルに達する企業へと成長。製品はシアーズやマキナニー、アンドレード、ワットムルスなどに納めていた。