ブランド

KILOHANA

1952年に創業したキロハナ・ディストリビューターズ社のブランド。ヤエコ・ナカノがスミス・ストリート1126番で始め、’54年にその夫チャールズ・コウジ・ナカノの社長就任時に、アリイ・ディストリビューターズに改組し、場所もベゼル・ストリート1044番地に移転した。’53年から’54年頃までは、主にスポーツウェアを製造していたが、その後はシャツ、ムームー、サンドレスなどの製造卸も手掛けていた。家族経営の小さな会社であったが、’59年には株式会社化してサウスホテル・ストリートにオフィス兼ショールームを開き、翌年にはベゼル・ストリート1024番地に支店をオープンさせる。展開していたブランドは、キロハナ、アリイ・ロレ、リチャード・ダグラスの3つ。当時、他社製品との差別化を図るため、特に独創的で奇抜な柄を数多く選んだ、キロハナ。そして、キロハナよりもややグレードを上げて製造していたアリイ・ロレ、2人の息子の名前を組み合わせ、主に直営ショップ向けに展開していたのがリチャード・ダグラスであった。キロハナは、美しい色使いと独創的な柄、特に抜染の大柄が多いのがブランドの特徴であり、コレクターからの人気が高い要因でもある。生地はボン・ハム・ヤングやジャパン・シルクなどから調達しており、その9割が日本製。明らかに他社との差別化に成功していたキロハナだが、家族経営の小さな会社であり社内デザイナーなどいなかったことを考えれば、その多くは生地のコンバーターが日本の紡績会社の専属デザイナーに依頼して書き下ろしてもらったものだと考えられる。製品は主に直営店の他、高級専門店のマキナニーやリバティーハウスで販売されていた。